母との関係

毒親を許さなければいけませんか?許さなければ被害者のままですか?

私のところには、
たくさんの母子関係で悩む人、
母との関係性を長年のテーマとして抱えている人が
いらっしゃいます。

下記の二つの記事が、
私のブログの中でも特にたくさんの方に
読んでもらっていることからも分かります。

◇幸せが怖い、良いことが起こると不安になる、幸せ恐怖症の治し方

◇実の母が娘を嫉妬するってありますか?
 母が娘をライバル視する心理

私自身が、母との関係性に
長い間悩んできたから
似たような方が来てくれるのでしょうね。

本当にすごくたくさんのクライアントさんから、
母にまつわる怒り、悲しみ、絶望、恐れ、
そして、愛情について話を聴かせてもらいます。

大人になってからも、
過去、特に子どもの頃、
お母さんから言われたこと、されたことが、
セルフイメージ、自己肯定感に
大きく影響しているという方は、
非常に多いです。

親を許さなければ被害者のままと
悩む人は多い

心理学や自己啓発の本を読み、
自分の自己肯定感の低さが
幼少期の親との関係が原因と気付き、

親との関係を良くすれば、
もっと言うと、
親のことを許したら、
自分は変われる、
自分はラクになれる、
自分は過去の痛みから解放され、
自由に今ここを生きることができる。

そんな風に思う方も多いのでは?

かつ、
親を許そう、
親との関係でつらかったことを手放そうと思っても、
それができず、

そんな自分を
いつまで過去に囚われているのか?
親から「ああされた」「こうされた」ということに
こだわっているのか?
親を許さなければいけないのに、
親を許さなければ、
自分は被害者のところに止まってままだと
悩んでいる方、自分を責めている方も
同じ数くらいいらっしゃるような気がします。

親を許した方が良い派の意見

ここからもう少し
掘り下げて考えてみましょう。

まずは親を許した方が良い派の意見を
じっくりと聴いてみます。

過去のことにこだわり、
親を責め続けていることは、
あなた自身のためにならない。
あなたを不自由にし、
あなたを不幸にしている。

いつまでそうやって、
親のせいにしているつもり?
あなたには力があるのよ。
自分の力を取り戻し、
自分の足で立ちなさい。

親もあなたと同じ不完全で不完璧な一人の人間なのよ。
完璧な親なんていないの!
親に期待すぎるのはやめなさい!
親も大変な中を生きてきたの。
その中で精一杯あなたを育てたの。
少しは親の身になって考えなさい。

どんな出来事も自分のとらえ方次第。
その出来事を不幸ととらえるか?
それとも、自分の肥やしになった経験ととらえるか?
それは自分次第。
あなたの気の持ちようが大事!

このブログを読んでくださっている方で、
親との関係で傷つき満たされない思いを抱いている方は、
これらを読んで
「あるあるやな」「言われた言われた」と
頷きながら読んでくださったかもしれません。

親への怒りや傷つきを否定され
自分を全否定されたように感じた私の体験談

実際、私が過去に
セラピストやカウンセラー、友達から
言われたことです。

正直、言われた時は、
ものすごく腹が立ちました。

親を許せ、親のせいにするなと言われた時は
自分を全否定された感じがしましたね。

すごく腹が立ったし、
自分を責められた感じ、
過去にこだわっているお前はダメだ!と
言われた感じがしました。

親を許せ、過去にこだわるなと言った相手とは、
その後疎遠になり人間関係は途絶えました。

それくらい痛かったんです、その言葉が。

当時、私が相手に言いたくても言えなかったことを
包み隠さず、正直に書いてみましょう。

なんでアンタに
そんなこと
言われんといかんのじゃ!

アンタに何が分かるんじゃ!

私が親からされたことを
お前もされてみろ!

いやはや、めっちゃ怒って傷つきました。

そして、この怒りと傷つきの下に
どんな気持ちがあったか?
これもみなさんにシェアしたいと思います。

私の痛みを分かって
私の痛みに共感して
つらかったね 大変だったねと言って

こんな気持ちがあったのも事実です。

親を許す許さないというところに
フォーカスするとしんどくなる

じゃあ、どうすればいい?

私自身のスタンスとしては、
親を許すか許さないか?と言う視点で、
親子関係を捉えると、
二元論、白か黒かの罠にはまってしまうのでは?

親に対する感情は、
許すとか許さないと簡単に割り切れるものではないのでは?

許すか許さないか?という視点で考えると、
たくさんのものがこぼれ落ちていくのでは?と思っています。

ぶっちゃけ、

そこ、

フォーカスするとこちゃうで~

と言いたいです(笑)

デカ字(笑)

私自身が、
大好きで守りたくて、
笑顔でいて欲しい人 お母さん、
大嫌いで殺したくて、
今すぐこの世から消えろと罵りたい人 お母さん、

この二つの気持ちを行ったり来たりしてきました。

最近はかなり母と距離が取れてきたので、
この相反する気持ちが少し統合してきたかな・・・

一人の人間に対して愛と憎しみ、
この二つが共存するって、
変なことではないし、
普通ちゃうか?(笑)と思ってます。

自分の中に相反する気持ちを持てるようになる、

自分の中に相反する気持ちがある状態に
持ち堪えられるようになった
その先に見える何かがある、
愛と憎しみ両方を含んで超えていける場所がある、
今、私はそんな風に思っています。

ちょっと抽象的過ぎたかもしれません。

下記のブログにはかなり具体的に書いてますので、
もしよかったら読んでみてください。

◇母からの嫉妬により受けたダメージから
 回復していく過程には何段階かある

親から受けたネガティブな影響から自由になること
親を許す許さないは別のフェーズにある

自分自身のことを振り返ったり、
9年近くクライアントさんからお話を伺ってきた経験から、
親との関係で傷ついたこと、
親からのネガティブな影響が
自分を苦しめている、
自分の可能性を狭めているということは
本当にたくさんあります。

例えば、別の記事にも書きましたが、
私は長い間、自分をブスだと思い込み
容姿に強いコンプレックスを持っていました。

小さい頃、鏡に映った自分に見惚れていた私を
通りすがりに後ろから母親がディスってきた経験が
その思い込みの根っこにあります。

この思い込みを手放すため、
必死こいて自分を癒しました。

思い込みを癒す過程で気づいたことは、
お母さん自身がお母さんをディスっていたから、
つまり、お母さんはすごく自己肯定感が低かったから、
鏡に映った自分に見惚れる小さな私を
引きずり降ろしたくなって、屈辱感を与えたくなって
あんな風に私に言ったんだということです。

自己肯定感が低い人って、
他人をディスって引きずり降ろして、
自分とその人を同じ位置にしたい、
そうすることで安心したいと思うのです。

ここらへんの心理は下記の記事に詳しく書きました。

◇人の不幸を願ってしまう、人の不幸に喜んでしまう自分が嫌な時の処方箋

お母さんが私に言ったことを
鵜呑みにしなくてもいい、
お母さんが私に言ったことと、
本当の私は別のものと
腑に落ちた時、大きな癒しが起きました。

だからと言って、
私が母親に対して、
許しの気持ちを持てたか?
それはまた別の話でした。

余談ですが、
親を許せ、親のせいにするな!と言う人の心の中には、
上記のようなことを伝えたい気持ちがあるのかなと思います。

愛あるムチを使っている、
自分の力を思い出せ!とハッパをかけているという感覚。

親を許すことと、
親から受けたネガティブな影響から自由になること、
これは全く別の話だということ。

ここはかなり大事なポイントかなと思います。

親を許せとか、許さなくていいとか、
誰かが誰かに言うことは、
他人の領域に踏み込む行為であり、
誰も他人にそんなことは言えないと思うのです。

かつ、親に怒り続ける、
親を憎み続ける、
親を怖がり続ける、
親に期待し続けると言うのも、
苦しい行為であり、
自分を幸せにしない行為だと思います。

じゃあ、
親を許そうと頑張るべきか?
無理やりにでも、親を許すべきか?
そうしないと幸せになれないし、
被害者人生を歩むのか?

この地点で多くの人が
立ち止まる、停滞するかと思いますが、
そんな時、上記の私の言葉に
耳を、心を傾けて欲しいのです。

親を許すことと、
親から受けたネガティブな影響から自由になること、
これは全く別のこと。

大人になっても、
親に怒り続けている、
親を怖がり続けている、
親を嫌い続けている、
その気持ちの水面下には、
心の傷つきや痛みがあります。

その傷つきが癒されてない状態です。

私はセラピストですから、
セラピーの力というものを信じていて、
その傷つきは修復できると思っています。

すごく親を恨んでいるクライアントさんに対しても、
親を許しなさいと言う代わりに、
「その怒りや囚われの下にある痛みが癒されるといいなと思うし、
それは可能なことですよ」と言うようにしています。

ゴールは自分の中の親子関係が機能する状態

ゴールは親を許すか許さないか?ということではなく、
自分がいかに充実した幸福度の高い人生を生きるか?
それだと思うんです。

そして、そのためには、
自分を自分が好きになる、
もっと具体的に言うと、
自分が自分への理解や共感を
深めていくことが大事かと思います。

自分が自分への理解・共感を深めるというのは、
どういうことか?というと、
自分の中の親子関係が機能する状態です。

自分の中に、
自分のインナーチャイルドを理解しケアできる
大人の自分がいる状態。

自分の中のチャイルドの声を無視せず、
それに十分気付いているけど巻き込まれていない。
巻き込まれずに、
どーんと構えて受け止める大人の自分がいる状態。

これが私の言う
自分の中の親子関係が機能している状態です。

親に怒ったり、親を怖がったり、
親を恨んだりしているのは、
自分の中のチャイルドなんです。

そのチャイルドの声に巻き込まれている状態、
これが親からのネガティブな影響下にいる状態です。

チャイルドの衝動、チャイルドの感情って、
すごく強くて、実に強烈で、
これに巻き込まれないようにするだけでも、
一苦労なんですよね。

私がゴールとして提案したいのは、
親を許すとか許さないとか以前に、
現時点の大人の自分を
チャイルドの自分に巻き込まれないようトレーニングして、
チャイルドの自分の世話をしようということです。

自分のチャイルドの気持ちを汲み、
その子が欲しかったもの
(大体は心の栄養)を与えようということです。

まあ、これが言うは易く行うは難しで、
だから私のような仕事があるわけですが、、、

最後に

私、許しって、
無理くり頑張ってするものでも、
できるものでもないなと思うんです。

私の好きな言葉に
許しとは、
相手がしたことによって、
自分の本質が何一つ傷ついていない、
損なわれてはいないと知ること。

というのがあるのですが、

許しって、自分で自分の気持ちを理解して、理解して、
その先に自然に起こってくるものかと思います。

だから人は誰かを許そうと思って、
許せるものではないし、
人は、他人にも、自分自身にも、
許しを強要できないと思うんです。

以上、参考になれば幸いです。

親を許さなければ被害者のままかな。。。と
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