フラッシュバックを止める

長い間、繰り返し、過去に自分を傷つけた人への仕返しばかり考えてしまいます

カウンセリングの現場でよく寄せられる相談に、

昔、自分を傷つけた人のことばかり考えてしまう。
その時言われた心無い言葉を、
その時の相手の声のトーンや顔の表情とともに、
繰り返し思い出してしまい、
その度に嫌な気分になる。
思い出したくなくても、
勝手に記憶がよみがえってきて、
その記憶に圧倒されそうになる。
時に、記憶がよみがえってくると、
「うわああ」って叫びたくなる。

というものがあります。

典型的なフラッシュバックの症状ですね。

フラッシュバックというと、
PTSDの症状の一種で、
すごく深刻な症状の一つと思われがちです。

だけど、PTSDに罹患している人でなくても、
過去の嫌な記憶が、自動的、反射的に
よみがえって、苦しくなる。
いわば、プチフラバのような現象は、
よく伺います。

プチフラバについては、下記の記事に詳しく書いています。
なんかやる気が起きないという方へ
~昔のちょっとした嫌な記憶、つらい記憶が
湧き上がってくる悪影響が原因かもしれません

私自身、グルグル思考に長い間悩んだ末、
グルグル思考を止めるプロフェッショナルなった人ですから、
プチフラバの苦しさには、心から共感します。

グルグル思考を止める無料診断も作りました!
無料診断・そのグルグル思考を止める方法はこれだ!

このプチフラバの副産物として、
復讐幻想・過去自分を傷つけた人に
仕返しをする想像(ファンタジー)に耽る

というものがあります。

私が、複雑性PTSDから回復するにあたり、
ものすごく助けになった本・
心的外傷と回復から、
復讐幻想についての一節を引用します。

復讐幻想はしばしば外傷性記憶の鏡面像である。
加害者役と被害者役が入れ替るからである。
この幻想はしばしば外傷性記憶と全く同じように
グロテスクで凍りついたように動かず、
そして言葉にならないという性質がある。

復讐幻想はカタルシス願望の一形式である。

被害者は加害者に報復することによって
外傷の与えた恐怖と恥辱と苦痛とを厄介払いできると空想する。
(中略)
屈辱にまみれた烈しい怒りの中で、
被害者は復讐こそ自分には力があるという感覚を取り戻す
唯一の方法であると想像する。

外傷を受けた人は復讐すれば
ほっとするはずだと空想するけれども、
現実には復讐空想を反復していれば
締め木にかけられているような苦痛が増すのである。

暴力的な復讐幻想の映像は元来の外傷の映像と同等の
過覚醒と恐怖戦慄と侵入力とを持ちうるのである。
それは被害者の恐怖感をさらに強めるだけでなく、
その自己イメージを卑しいものにする。

それは自分をモンスターのように思わせる。

しかも満たされない感じがきわめて強くなる。

復讐は負わされた傷のつぐないにはならないし、
傷を変えもしないからである。
(中略)

服喪追悼の過程の間、
生存者はオトシマエをつけることの不可能性を
直視しなければならない。

安全なところで怒りを発散させるにつれて、
孤立無援的な狂おしい怒りは次第に満足感を与えてくれる、
力のこもった形の怒りの形、
すなわち正義の憤慨に変わってゆく。
心的外傷と回復 ジュディスハーマン著 みすず書房

なんかこの↑の引用文に、
すべての答えがつまっている気がします。

過去傷ついた時の
あの悔しさ、屈辱感、
自分という人間の尊厳を
踏みにじられたショック、悲しみ。

あんな酷いことをするなんて、言うなんて
あり得ない!という怒り。

その悔しさ、怒り、悲しみなどが、
酷いことをした相手に仕返しすること、
酷いことをした相手を同じような目に遭わせて、
同じような悔しさ、屈辱を味あわせることなどで、
解消される、癒されるはず!と思うのは、
ある意味、人間として当然のことかもしれません。

自分に酷いことをした相手に、
自分と同じ苦しみを味あわせることで、
自分の尊厳が回復するはずだ!という心理が、
ほぼすべての人間に共通しているのは、
これだけ巷に復讐劇の映画や小説があることが
証明しているでしょう。

だけど、現実には、復讐というのは、
ほぼほぼ実現しません。

どんなに相手が自分に理不尽なことをしたとしても、
どんなに相手が間違っていたとしても、
どんなに相手が卑怯だったとしても、
自分が思い描いた通りの仕返し、報復というのは、
実現しないものです。

もちろん、犯罪行為というのは、
法で裁かれるべきだと思いますが、
法で裁くシステムも完璧か?というと、
まったくそうではありません。

残念ながら、
人生というのは、この世界というのは、
理不尽で不公平で不合理なことがあります。

多分、誰にとっても、この世界は、
時に理不尽で不合理なのだと、私は考えます。

ジュディスハーマンさんは、
『心的外傷と回復』の中で、
復讐幻想では、あなたの尊厳は回復しないよ、
自分の精神状態を興奮させるだけだし、
セルフイメージを落とし、
満たされない感覚をますます強めるよ。
と教えてくれています。

それよりも、安心安全なところで、
その怒りを、悔しさを、悲しみを表現して、
受け止めてもらった方が良い。
そうすることで、
あなたの自尊心は回復していくよ。
とも。

仕返ししてやりたい!
思い知らせてやる!という思いと、
こんな風に思い知らせてやる!という想像が
自動的・反射的にわきあがってきて苦しい。。。という方は、
安心できる場で、その想いを聴いてもらうことをお勧めします。

あいつに仕返ししてやりたい!と
グルグル思考にハマった時は、
こちらの無料診断・そのグルグル思考を止める方法はこれだ!
ご利用いただけます。

無料メルマガ配信中
心が晴れる「幸せ力」の育て方

 

無料診断・そのグルグル思考を止める方法はこれだ!
無料診断はこちらから

 

声で聴けるブログ多数あります→音声ブログ特集へ

 

ピックアップ記事

  1. 不安や気がかりなことで、頭がいっぱいいっぱいになる、ぐるぐる思考(反すう思考)を…
  2. 人生に疲れた40代女性への処方箋
  3. 夫に無視され困っています・夫が妻を無視する心理と対処法
  4. 実の母が娘を嫉妬するってありますか?母が娘をライバル視する心理
  5. いきなり嫌われる、突然無視されることが何回も続き、人に近づくのが怖いです。

関連記事

  1. フラッシュバックを止める

    過去を引きずって恋愛が上手くいかない時の対処法

    メンタルが安定すると恋愛がうまくいく今日は恋愛関係が上手くいく秘訣…

  2. 引きずってしまう性格

    人に言われたことを引きずってしまう、気にしすぎてしまう性格を変えたい

    以前、人に言われたことを長い間、引きずってしまうそんな性格を変…

無料診断・あなたのグルグル思考を止める方法はこれだ!
診断はこちらから

最近の記事

おすすめ記事

カテゴリー

サロンについて


△神奈川県茅ヶ崎市にて
対面セッションは行っています。
サロンから海は、歩いて3分ほどです。

  1. 自分を好きになる

    自己肯定感が低い自分にイライラした時、がっかりした時の処方箋
  2. ぐるぐる思考・反芻思考を止める

    月曜日、会社に行くのが憂うつな時の対処法
  3. ぐるぐる思考・反芻思考を止める

    生きるのがしんどい時、心が傷ついた時、居場所がないと感じた時、アーシングして自分…
  4. 忘れられない恋

    好きだった人、元彼が忘れられず、未練が残り、苦しいです
  5. セッションのご感想

    体の調子の悪さと一緒で原因や理由がわかっただけでつらさは軽くなるものなんですね・…
PAGE TOP
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.