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よろしければ音声を聴きながら記事をお読みください。(2部構成)
職場の人や親しかった友人が、
突然、態度を変え、
よそよそしくなったり、
冷たい態度を取ってきたり、
時には、突然無視してくるようになった。
自分としては、何が原因か分からない。。。
相手に聞くにも聞けない。
そんなことが、何回もあり、
人に近づくこと、人と関わることが
怖くなってしまった。
見知らぬ人にならまだしも、
それまで気持ちの交流があった人に、
いきなり、そのような態度を取られたのなら、
誰だって、さぞかし混乱するし、
心が痛むことでしょう。
ましてや、それが何回も続けば、
自分に何か重大な欠点があるのではないか?と考えたり、
人と関わること=いつか手のひら返しで嫌われることと思えてしまい、
人と関わること自体が怖くなったりするのは、
無理もないことだと思います。
今日は、そういう人間関係のパターンを
作りだしてしまうメカニズムと。
その解決法について伝えていきます。
目次
内なる親と内なる子どもの関係が悪いことが背景にある
このお悩みで、一番混乱するし辛い点は、
◇「ある日突然、いきなり、一方的に」であること
◇自分の側からは、
相手の態度が変わった原因が分からないこと
◇相手を変えても同じパターンが続いたこと
この3点かなと思います。
人間の心はナマモノだから、
人から嫌われる
親しかった人が離れていく
というのは、
お互いさまで仕方ないとは言え、
ある日突然、一方的にというのは、
すごく混乱しますよね。
これは少し、
いやかなりきついかもなのですが、
やっぱり、こういう時は、
自分の内側を見ていくしかないかなと思います。
私自身も、他人に訳もなく嫌われるということが
けっこうあった経験を踏まえて言うと、
上記のようなことが、
相手を変えても、
何回も続くという時、
これは自分の中にいる
内なる子どもと内なる親の関係性が影響しています。
具体的には、
自分の中に、自分に対して、
すごく厳しかったり、虐待的だったりする親がいて、
自分の中の子どもを嫌ったり、無視したりしている。
かつ、その内なる親からの仕打ちに、
自分では気付いてなくて、
他者に投影している。
そうすると、投影された相手の人に、
そのインナー父ちゃんと母ちゃんが憑依するというか、
その相手を乗っ取るというか、、、
その結果、相手は、
その人のインナー父ちゃんや母ちゃんと
同じことをその人にしたくなるわけです。
マリア作・イラストで表してみました
その人にとっては、
いきなり嫌われた、突然無視された。。。
そんな風に思えるかもしれませんが、
その人のインナー父ちゃんや母ちゃんに、
日々乗っ取られている相手の心の中には、
言葉にならないイライラが
見えない塵のようにつもっていて、
ある日、それが臨界点に達し、
爆発するというわけです。
何回も同じパターンが繰り返される理由
この現象の難しいところは、
自分の中に、
親からの心痛い態度や言葉、
時には虐待的な仕打ちを取りこんでいて、
かつ、自分でも、そのことに気が付いていない。
そんなところにあるかと思います。
例えば、私の例なのですが、
私自身、小さい頃から、
父も母も、すごく口うるさくて怖い人でした。
恨みごとのように聴こえるかもしれませんが、
誉められたことも、ほとんどないし、
ありのままの私を受けとめてもらったという安心感というのかな、
そういうものをもらった記憶がない
そんな風な子ども時代を過ごしました。
すると、大人になってから、
私の周りには、
そういう口うるさくて怖い人が
しょちゅう現れるわけです。
時には、いきなり嫌われたり、
突然無視されることもありました。
今から思えば、
これは私が自分の中に取り込んだ
両親からの態度や言葉というものを、
周りの人に投影していたことが原因でした。
こうして、文章にすると、
簡単なのですが、
現実問題として、
自分では無自覚だった
この一連のメカニズムを自覚し、
かつ、癒していくのには、
20年以上の月日がかかってしまいました。
今では、私の周りには、
私を突然無視したり、
いきなり嫌ったりする人は現れません。
もちろん、
私は万人に好かれるわけではないですが、
それとこれとは別の話です。
ここまで読んで、
「えっ!20年以上?
そんなにかかるの?」と
ショックを受けた方もいらっしゃるかもしれません。
これはあくまで私個人の事例です。
クライアントさんたちを見ていても、
このパターンが癒されていくまでに、
ここまで長くかからない方が多いです。
いきなり嫌われることが続くパターンを変えるポイント
これはですね、
安心できて、
かつ冷静に自分のことを見てくれる人との一対一の関係で、
細かく細かく丁寧に、
自分の対人関係のパターンを見ていくことです。
と言うのは、
自分のインナー父ちゃんや母ちゃんを、
相手に投影するって、
本当に無意識のところでやっているんですね。
インナー父ちゃんや母ちゃんの心ない仕打ち、
またその根っこにあるリアル父ちゃんや母ちゃんとの
トラウマ的な出来事たち。
これらをまともに感じたら、
ヤバい、、、自分は壊れる、、、と
どこかで知っていて、
自分を守るために、
それらのことを心から切り離しているわけです。
だから知らず知らずのうちに
投影って起こるし、
知らず知らずのうちだから自分一人で、
意識的に変えていくことが難しい。
なので、その投影を上手く扱える
他者の存在が必要になるわけです。
ここまでいろいろと書きましたが、
ごくごく簡単に言うと、
インナー父ちゃんや母ちゃんを
相手に投影していることを、
繊細に冷静に、
かつ建設的に指摘してくれる存在が必要になります。
でね、これがシャバの人間関係では、
私には、なかなか難しかったんです。
私はカウンセラーとの個人セッションの中で、
人にインナー父ちゃんや母ちゃんを投影し、
自分がビクビクと怯えたり、
見て見てと関心を引こうとしたりするパターンに
徐々に徐々に気が付いていき、
気が付くことで人間関係の流れが
変わっていきました。
専門用語で言うと、
クライアントとの間で感じる逆転移を
適切に扱えるカウンセラーに
サポートしてもらいました。
投影が起こっていると言うのは、
言葉のやり取り以外の
すごく微細なところに現れるんですよね。
その微細な言葉以外のやり取りを
的確にキャッチして、
安全感を保ちながら、
それを指摘してくれる関係って、
普通の人間関係では
私は出会えませんでした。
だけど、世界は広いので、
カウンセリングやセラピー以外の場にも
あるかもしれませんが、、、
いきなり嫌われる、突然無視されることが続いた時の
一人でできる対処法
私も、そうでしたが、
こういうことが続くと、
どうしても自分を責めてしまいがちです。
人によっては、
絶望に近い無力感を感じたり、
自分のことがすごく嫌いになったりするかと思います。
そんな時は、自分を励まし無理に明るく振る舞うことより、
自分に共感する、自分に寄り添うことが効果的かと思います。
自分に共感することについては、
下記の記事に詳しく書いています。
◇不安につける特効薬・自信をつける努力ではなく、◎◎を高める努力
自分の傷つきを認め、
自分に共感し寄り添い、
孤独感を癒すような言葉を
自分に言ってあげましょう。
例えば、
「私はあなたの味方」とか
「私はあなたのそばに居る」とか
「私はあなたを見捨てない」とか
そうすることで、
インナー父ちゃんや母ちゃんの声が
少しずつ小さくなってきて、
辛さがやわらいでくるかなと思います。
ちなみに、この父ちゃんと母ちゃんは、
別名・内なる批判者と言います。
内なる批判者への対処法は、
下記の記事に詳しく書いていますので、
参考になさってください。
◇仕事が見つからず焦りと不安で苦しい時、崩れ落ちずに自分を保っている方法~内なる批判者を黙らせる~
※内なる批判者に打ち勝つ4ステップをイラスト入りで説明しています。
反動形成に気を付けて・相手に好かれなくていい
いきなり嫌われる、突然無視されることがあった時、
相手の顔色を過剰に伺ってしまったり、
結果、相手に媚を売るようなことをしてしまったりして、
自己嫌悪に陥った。。。
そんな経験はないでしょうか?
実を言うと、私は何回か、そんな経験があります。
職場で、突然無視された時、
相手の突然の手痛い仕打ち、態度に、
自分の内面がものすごく揺さぶられました。
揺さぶられた大きさに比例して、
自分の気持ちを抑えないと、
職場の人の前で泣きだしてしまったり、
相手を怒鳴りつけたり、殴りかかってしまいそうで、
この気持ちをなんとか抑えなければヤバい!
この気持ちが職場の人の前であふれ出すのは危険だ!という思いから、
相手にひきつった笑顔を見せながら、
相手を持ちあげるような発言をしたことがありました。
その後の自己嫌悪と屈辱感、恥ずかしさと言ったら!
何年も引きずってしまいました。
かつ、相手に対する怒りや軽蔑心も、
相手を持ちあげるような行動を取ったことで倍増しました。
※今では、昨日の晩ごはんのような感じで、
思い出しても胸が痛まなくなりましたが。。。
上記のような心の動き、行動を
心理学では反動形成と言います。
自分の中に強い感情があって、
それを抑えなければいけないと思うがあまり、
その感情とは逆の行動をしてしまう防衛パターンです。
例えば、
慇懃無礼な態度。
以前、ガソリンスタンドで働いていた友達が、
「嫌な客ほど、丁寧な態度を取ってやるんだ。」と言うのを聞いて、
慇懃無礼って奴ね・・・と思った記憶がありますが、
このように自分の感情とは裏腹のことをするのは、
先ほども述べた反動形成という心理的な防衛から来ています。
好きな人にそっけない態度を取ってしまう『好き避け』も、
反動形成からくる心理的防衛の一つです。
いきなり嫌われる、突然無視されるということがあった時、
心理的防衛・反動形成により、
相手を持ちあげようとする、
もしくは相手に好かれようとするなどを防ぐには、
自分が、その相手や状況に対して感じていることを、
ありのままに認めることかなと思います。
いきなり嫌われたり、無視されたりしたことで、
自分が感じた痛み、ダメージ、怒り、恐れなどを
ありのままに認めるには、
かなりの勇気や心の力が必要かもしれません。
やっぱり、心痛いですから、
感じたくないですよね・・・
私自身、いきなり嫌われたり、突然無視された時、
そのことで、自分がどんなに傷ついているか?認めるのが、
すごくすごく難しかったです。
自分の気持ちを認めることが難しかったからこそ、
相手を持ちあげるような行動、発言をしてしまい、
さらに自分に追い打ちをかけたという。。。
なので、自分のために
ゆっくりで構わないので、
自分の傷つきやダメージ、怒りや恐れなどを、
少しずつ認めていきましょう。
一人で難しい時は、
誰か信頼できる人に聴いてもらったり、
自然がきれいなところに行って、
自然にありのままの自分を受け止めてもらったりして、
自分の気持ちを受け入れ認めていきましょう。
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