甘えることが怖い
甘えたいけど甘えられない
一度でいいから思い切り甘えてみたい
どうやったら甘えることができますか?
今日はこのような悩みというか、
切実な心の叫びというか、
そんな想いへの処方箋を伝えていきます。
目次
そもそも甘えるって、どういうこと?
そもそも、甘えるって、
どういうことでしょう?
手元にある辞書を引くと、
「相手が許してくれるだろうということを期待して、
節度を超えた行動をとる。」
~新明解国語辞典より~
とあります。
他の人にはこんなこと求めないけど、
この人だから、この関係性だから、
ここまで求めても大丈夫という期待に基づく行動、
それが甘えるということというわけです。
「甘えたい」というのは、
人間にとって根源的な欲求
人間の発達段階において、
子どもが、親、もしくは養育者に
「甘えの体験をする」ことは、
健全な発達に必要なことと言われています。
つまり、親が子どもの期待を満たすこと、
この体験が、誰にとっても、
必要というわけです。
考えてみれば、
もっともな話だと思います。
人間は誰しも、
寝返りすら一人でうてない、
鼻水もかめない、
そんな他人の世話を常に必要とする、
無力な存在として生まれてきます。
すべての人間は、
自分の要求は満たされるはずという
期待と信頼を持って、
この世にうまれてくるわけです。
この文脈から言うと、
「甘えたい」というのは、
人間の根源的な欲求かもしれません。
そして、人生の最初の段階で、
思い切り「甘えの体験」が
できるか、できないか?によって、
その人の人生は大きく異なるでしょう。
甘えられない、甘えることが怖いのは、
小さい頃の親との関係が大きく影響している
甘えられない、甘えることが怖いという方は、
やっぱり小さい頃、親との関係で、
安心して甘えることができなかったという方が
ほとんどです。
そんなん言われんでも分かっとるわいって?
ですよね(笑)
以前、別の記事にも書きましたが、
人間にとって、
母親は世界の象徴です。
※ちなみに父親は社会の象徴です。
世界の象徴である母親に、
子ども時代、甘えることができないと、
その後の人生でも、
甘えることに不自由になりがちです。
甘えと甘やかしの違い
親から、特に虐待を受けたわけではなく、
普通によくしてもらったと思う、
むしろ、過干渉で過保護なくらいだった、、、
だけど、甘えることが苦手、
甘えるのが怖い。
という方もいるかと思います。
もしかしたら、このような方は、
親から甘やかされた体験はあっても、
甘えた体験はないのかもしれません。
甘えと甘やかしは違います。
甘えは、子どもが親にして欲しいことを、
親がしてあげること。
甘やかしは、子どもの意向、ニーズは関係なく、
親が子どもにしてあげたいことをすること。
この話をすると、
5年くらい前、
電車の中で見た風景を思い出します。
私の目の前に、
30代前半くらいのお母さんと、
小学校低学年くらいの男の子が座っていて、
男の子は、「この駅、何て名前?」と、
お母さんに話しかけていました。
お母さんは、それに答えず、
ひたすら絵本を音読していました。
私の推測ですが、
その男の子が大人になって、
この甘えと甘やかしの違いを聞いたら、
深く共感してくれるのでは?と思います。
※もちろん、私は、
子どもに絵本を読み聞かせることが悪いと
言ってるわけではありません。
このお母さんもきっと、
甘えるという体験が少なかった、
もしくは全くなかったのかな。。。と思うと、
ちょっと切なくなります。
子どもにとっての
「甘えの体験」というのは、
ただ単に親に、何かをしてもらうという体験ではなく、
自分のニーズを、自分で表現して、
それを受け止めてもらう
プロセスの体験なんですよね。
自分のニーズを表現しても良いと思えるだけの
親への信頼と安心感、
そして、それを受け入れてもらう経験。
この二つがセットになっているというわけです。
どうやったら甘えられる?
私、これについては、
内面からのアプローチと
実際に関係性の現場で練習してみること、
その両方が必要かなと思います。
甘えられない今の自分を認める
自分に甘えることを許可する。
私は甘えていいと思える。
実際、安心できる人に甘える。
そうなれたら、
どんなにいいだろう?
甘えられない、甘えるのが怖いという方、
ほぼ全員が、そう思っているのでは?
だけど、どうしても、
そう思えないから、それができないから、
辛いし苦しいのだと思います。
そういう時は、
甘えることができない自分に
寄り添うような言葉がけから
始めるのはどうでしょう?
「甘えていいなんて、そんなこと、とてもじゃないけど思えないよね。」
「人に甘えるなんて、怖すぎるよね。」
「甘えていいと思えるほど、誰かを信頼できないよね。」
「甘えていいって思えないから辛いんだよね。」
「人に迷惑かけるな!って、さんざん言われたもんね。」
など、、、
甘えることができない、
甘えることが怖いという方は、
ほとんどの方が頑張り屋さんで、
気を遣うタイプの方ではないかと思います。
そして、甘えることができないと悩んだ時も、
なんとか甘えられるようにならないと!と
頑張ろうとしがちです。
すると、自分の内面で、
アクセルとブレーキが、
同時にかかっているような状態になり、
内側では圧がパンパンにかかっているのに、
外側から見たら、
甘える一ミリも動いてないという状態になります。
かつ甘えられない自分を、
自分で責めることにもなります。
自分で自分を責めると、
ますます自分に対する
圧が大きくなって、
甘えるどころでは
なくなってしまいます。
だから、最初は、
今の自分を認める、
今の自分に寄り添う。
そんな言葉がけから
始めるのがいいかなと思います。
子ども時代、甘えられず傷ついている
インナーチャイルドをケアする
甘えたかったけど、
甘えることができなかった体験をすると、
子どもというのは、
自分が悪いと思いがちなんですね。
例えば、
子どもの時、親に甘えていって、
親から「疲れているから、あっちに行って。」と言われた。
親は仕事帰りで疲れていて、
子どもが甘えてきたことに
応じることができなかった。
それだけなのに、
子どもは自分が悪い、
自分には価値がないと
思ってしまうのです。
そして、このことが原因となって、
甘えることが怖くなる、できなくなったりします。
なので、そんなインナーチャイルドに
寄り添い、いたわるような言葉を
かけてあげましょう。
「甘えることができなかったのは、あなたのせいでないよ」
「甘えられなくて寂しかったね」
などなど、、、
あまりにシンプルな言葉がけに思えるかもですが、
子どもというのは、
非常にピュアで素朴ですから、
子どもに話しかける言葉というのは、
シンプルが一番なんです。
甘えられない自分に対する捉え方を変える
甘えられない、甘えることが怖いという時、
そんな自分に対して、
どんな想いがありますか?
甘えられない自分に対して、
多くの方が否定的な思いを
抱いているのでは?
こういう自分ヤダなあとか、
損だなあとか、
頑なだなあとか、
可哀そうだなあとか、、、
もしくは、
甘え上手な人に対する嫉妬や羨望に
エネルギーを注いでいるかもしれません。
ここで提案したいのは、
甘えられない自分に対する捉え方を
変えてみることです。
具体的に言うと、
甘えられない自分に対する否定的な思いを、
共感的な思いに変えてみるのです。
「甘えるなんて思いつきもしないような環境で育ったもんねえ。
それだけ大変だったんだよね。」
「一度、親に甘えたら、ひどく拒否られたもんねえ。
それだけ傷ついたんだよねえ。」
などなど、、、
※これは、心理療法で言うと
リフレイミングと呼ばれます。
甘えることを人間関係の現場で練習する
大人になってから誰かに甘えるというのは、
ただ単に相手に「これをして欲しい」と
求めることではありません。
大人が誰かに甘える時、
相手との関係を読み、
相手の状況を配慮する必要があります。
これをしないで甘えると、
相手から迷惑がられたり、
嫌われたりします。
甘え、甘えられ体験・私の黒歴史
何年か前に、ある男性に、
ほのかな好意を抱き、
デートに誘ったことがありました。
が、その男性は、
友達以上恋人未満の女性がいるとのことで、
断られてしまいました。
それはそれで、
ショックだったのですが、
その後も友人としては関係が続き、
何年か経って、
その男性が彼女と別れた後、
二人で飲みにいこうと誘われました。
私は、その時、全く
その男性に恋愛感情はなく、
単なる友達として、
その誘いに応じました。
で、まあ、ひとしきり飲んだ後、
向こうが私に放った一言は、
「マッサージするからマリアの家に泊めてよ」
でした。
(これは言うまでもなくセックスの誘いでしょう。)
私の側には全くその気がなかったので、
断りましたが、、、
次の日、彼から来たメールには、
「昨日は甘えさせてくれてありがとう!」と
ありました。
正直、彼に対して、
都合がいい男としか思えず、
自分と相手に嫌悪感しか持てず、
彼との関係を切りました。
このように、
相手との関係性を読み違えると、
人間関係が壊れます。
このブログを読んでいる方は、
話に出てくる彼とは、
真逆のタイプ、
甘えていい場面で、
甘えることができない人が多いかと思いますが、、、
あと、私の体験談をもう一つ・・・
これはまた別の男性とのエピソードですが、
すごくすごく好きだった人がいて、
まあ、具体的には書きませんが、
けっこう良い感じでした。
ある時、その彼と、二人で歩いていて、
彼が私の荷物を見て、何回も何回も、
「重そうだなあ、大丈夫?」と
言ったことがありました。
※実際、私はその時、大荷物を抱えていました。
私は、そのたびに、
何回も大丈夫と答えました。
そして、あとから気づいたのです、
彼は私の荷物を持ってくれようとしたことに、、、
そう、私は華麗に、
甘えるポイントをスルーしたのでした(笑)
相手が甘えて欲しい場合、
甘えるということは、
相手から愛情や優しさを
受け取るということになります。
私は、あの時、
差し出されていることにも気づかず、
見事に受け取り拒否をしたのでした。
甘える練習3段階
1 最初は小さなことから甘える
最初は、相手にできそうで、
かつちょっとしたことを頼んでみる。
そんな小さな甘えから始めてみましょう。
ペンを借りる、
ドアを開けてもらう、
荷物を持ってもらう
傘に入れてもらうなど、、、
いきなり大きな成功体験を狙っていかず、
小さな成功体験を積み重ねていく。
これがポイントかと思います。
2 小出しにして相手の反応をよく観察する
小さなお願い、小さな甘えを、
相手にしてみて、
相手はどんな反応をしたか?
よく観察しましょう。
相手の反応を見ながら、
自分の甘え方を変えていきましょう。
関係性というのは、
ダンスのようなものです。
自分が出したステップに、
相手がどう反応するか?
それによって、
自分の出方を変えていきましょう。
相手が嬉しそう、まんざらでもない様子だったら、
もう少し甘えてみましょう。
相手が、さほど嬉しそうでなければ、
少し引いて、自分の甘え方を変えましょう。
また、甘える相手を変えてみましょう。
3 甘えさせてくれたらしっかり受け取る
相手が甘えさせてくれたら、
しっかりそのことを受け取りましょう。
相手に感謝の気持ちを伝えることも大事ですが、
それよりか、自分が相手の気持ち、行動を、
しっかり受け取ることが何よりのお返しになります。
ここでのポイントは、
お返しをしなくちゃ!という気持ちを手放すこと。
ギブ&テイクの心は素晴らしいと思いますが、
それだと、甘えることにはなりません。
自分は何のお返しもしなくても受け取っていい。
何の見返りも与えなくていい。
そう思って、受け取ることが大事です。
最初は、どうしても、
お返ししたくなるかもしれませんが、
ぐっとこらえて、受け取ることに集中しましょう。
また、やたらと感謝の気持ちを伝えるのもやめましょう。
一度、お礼を言えば、それでいいのです。
甘えなれてないと、
やたら、お礼を言いたくなりますが、
これもぐっとこらえましょう。
相手の好意を自分がしっかり受け取ること、
それが一番大事です。
最後に
私、思うのですが、
甘えられない方というのは、
人に迷惑をかけてはいけない!という想いが
強い方なのでは?
だけど、考えてみてください、
人間誰しも、一切、誰にも迷惑をかけず、
生きていくって、あり得るのでしょうか?
人と人が関わることって、
多かれ少なかれ迷惑をかけあうことだと
私は思うんです。
大事なのは自分の甘えたいという気持ちに
素直になること。
迷惑をかけてはいけない!とか、
誰が甘えるもんか!とか言って、
突っ張って生きてきた方には、
素直になることは
すごくすごく勇気が必要かと思います。
だけど、今、自分は大人で、
もう小さな頃とは違う、
相手は自分の親ではないということを
思い出して、
素直になる勇気をもってもらえたらなあなんて、
老婆心ながら思うんですよね。
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甘えたいという気持ちに
素直になる勇気の出し方を伝えています。
なんで私は甘えベタなんだろう・・・と
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