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ネガティブな自分を変え、
ポジティブな自分になりたい
自分のネガティブな性格を
どうにかしたい
そんなご相談を受けることがあります。
物事や出来事、自分や他人の人柄や能力などに対して、
消極的、悲観的、否定的な捉え方をする傾向、クセがある方を
ネガティブな性格というのかと思います。
ここで一つ、
ネガティブな性格、ポジティブな性格というものを
分かりやすくとらえていくための例え話をしましょう。
大学で同じクラスのAさんとBさん、
偶然、同じ会社の採用試験を受けて、
二人とも、2次面接までは行ったけど、
3次面接で不採用となってしまいました。
Aさんは、この結果に対して、
「行きたかった会社の2次面接まで行けた。
不採用だったことは残念だけど、
この経験を生かして、次の採用試験でも頑張ろう。」
と思い、就職活動を続け、
一方、Bさんは、
「ものすごく入りたい会社で、
真剣に採用試験に挑んだのに不採用だった。。。
私はもうダメだ。」と就職活動を止めてしまいます。
数か月後、Aさんは入社したいと思った企業の一つに採用され、
Bさんは就職浪人が決まりました。
そして、Bさんは、
「どうやったら、Aさんのようにポジティブな性格になれるんだろう?」と
思い悩んだという。。。
よくある話です。
ここで、私が好奇心を持つのは、
AさんとBさんの違いって、
どこから来るのかな?ということです。
Aさんも、Bさんも、
入りたかった会社からの不採用通知にショックを受け、
がっかりしたことには変わりありません。
だけど、そのショックやがっかりに対する
姿勢や態度が違ったのでは?と思うのです。
AさんとBさんの違いは、
自分に起こったネガティブなことに対する
姿勢や態度だと思うんですね。
だから『ネガティブな自分を変えるには、どうしたらいいですか?』
という質問に対する私の答えは、こうです。
『自分の中のネガティブは変えられないけど、
ネガティブとの関わり方は変えれます』
というものです。
ネガティブとの関わり方は変えることができると言っても、
ネガティブを抑えつけ、頑張って前向きになろう!ということが
言いたいわけではありません。
このやり方が上手くいかないことは、
多くの方が知っているかと思います。
今日は、ネガティブにハマらない、
かつ、ネガティブを抑えつけない、
『自分の中のネガティブとの幸せな付き合い方』
について伝えていきます。
目次
『自分の中のネガティブは変えられない』って、
どういう意味?
いきなり、直球を投げますが、
生きること、人生において、
ネガティブは避けがたいものです。
人は誰でも、歳をとり、
いつかは死にます。
生きることは、ある意味、
死に向かって歩いているようなものです。
お母さんのお腹の中で
温かい羊水に包まれて、
何一つ不自由なく満たされていた状態から、
オギャーと生まれてみたら、
お腹が空いたら、泣いて訴えて、
ミルクを飲ませてもらわないといけないし、
オムツが気持ち悪くなっても
換えてもらわないといけないし と、
思い通りにならない、
不自由だらけの状態に移行します。
生きるということは、
ある意味、すべての人にとって、
この思い通りにならなさを
生きていくということなのです。
そして、このことから、
自分の中にネガティブな感情、
不安や恐れなどがあるのは、
当然のことなので、
『自分の中のネガティブは変えられない』と
私は思うのです。
ネガティブな性格と言うのは、
ネガティブとの関わり方のクセ
『人生の避けがたいネガティブ』と
どう関わっていくか?どう付き合っていくか?
それは実に人それぞれ。
このネガティブとの関わり方が、
ネガティブな性格か、
ポジティブな性格かというのを
決定づけると言えます。
ネガティブとの関わり方のクセには、
いくつかパターンがあります。
ネガティブに乗っ取られている
これはネガティブと
同化してしまっているパターンです。
いわば、ネガティブ沼に
ズブズブとハマりこんでいる状態です。
ネガティブな性格と言われる人のほとんどが、
この状態にあるかと思います。
この状態にいる人は、
過去の辛い体験から、
人や物事を否定的にとらえるという
習慣、クセが身についてしまっています。
例えば、
人に裏切られた経験から、
人間は信用できないと思い込む、
親から「お前はブスだ、ブスだ。」と
言われた経験から、
自分はブスだと思い込む、
学校でいじめられた経験から、
自分はどこに行ってもいじめられる、
人は怖い存在だと思い込む などなど、、、
ネガティブを恐れ、ネガティブを無視する
このパターンの人は、
一見、前向きで明るく、
ポジティブに見えます。
だけど、心の奥底では、
ものすごくネガティブを恐れています。
恐れるがあまり、
ネガティブを直視できず、
ネガティブがないような態度を取っています。
例えば、
多額の借金を背負ってしまった人が、
本当はものすごく借金しているのが怖い、
ものすごい不安があるにもかかわらず、
あまりに怖くて不安だから、
それらの感情を認めることができず、
「平気!借金なんて、全然怖くない。」
などと言うなど。
ネガティブと戦う
ネガティブが怖いあまり、
ネガティブな事態に対応することに
のめり込むパターンです。
病気や事故を恐れて、
多額の保険金をかけたり、
健康補助食品に
たくさんのお金を費やしたり、
体を鍛えることに
のめり込んだり、
何か新しいことを始めたいと思っても、
失敗するのが怖いから、
準備が完璧にできてからと思い、
何ヶ月も、時には何年も準備に費やし、
結局、始めなかったり、、、
女性がアンチエイジングにのめり込むのは、
老いというネガティブと戦っているとも
言えるかもしれません。
ネガティブに酔う
これはネガティブに乗っ取られるというのに、
かなり似ていますが、
ネガティブな自分、
例えば、
『可哀想な私』だったりとか、
『ダメな私』とかに浸って、
それが、実はちょっと、
いやかなり、気持ちいい。
そんな状態です。
悲劇のヒロインになると言うのは、
まさにこのネガティブに酔っている状態と言えます。
ネガティブと自分を完全に切り離す
これは完全に自分の中から、
ネガティブを排除してしまっている状態です。
ネガティブを無視することとの違いは、
ネガティブを無視している時は、
自分の中のネガティブに気が付いています。
気が付きながらも、
それを敢えて見ないようにしている状態です。
ネガティブと自分を切り離すというのは、
ネガティブを完全にないものにしている状態です。
自分でも、その存在に気が付いてない状態です。
これは、あまりに苦痛が大きいため、
それを感じたら、自分が壊れるので、
反射的、反応的に、心に麻酔をかけ、
それを完全に切り離し、
自分が壊れるのを防いでいるのです。
この防衛機能は、
確かに自分を守ってくれますが、
自分の心の一部を切り離している状態なので、
長く続けると、
虚しさや深い孤独感をもたらします。
ネガティブとの幸せで健全な関わり方って?
まず、前章で挙げたような、
ネガティブとの関わり方のクセを止めることです。
◇ネガティブに乗っ取られない
◇ネガティブを恐れない、無視しない
◇ネガティブと戦わない
◇ネガティブに酔わない
◇ネガティブを切り離さない
この5つのパターンを止めるだけで、
かなりニュートラルに
ネガティブと関われるかと思います。
では、どうやったら止めることができるのでしょう?
それには、まず、
ネガティブな気持ちが湧いてきたら、
認めて受け入れることです。
無視もせず、戦いもせず、
そこに入り込むこともせず、
ネガティブの隣に座って、
ただただ一緒にいる感じ。
不安な気持ちを感じたら、
その気持ちを認めて、
「不安なんだね」と
口に出して、
自分に言ってあげましょう。
怒りにしろ、悲しみにしろ、
恐れにしろ、同様です。
そして、その気持ちを認めて、
どんな感じがしているのか?
よく観察してみましょう。
特に、体はどんな感じか?
体は何を感じているか?に
意識を向けてみることは、
すごく役に立ちます。
ネガティブを怖がるから、
ネガティブと戦うから、
その反作用で、
ネガティブが大きくなり、
ネガティブに乗っ取られてしまうと
いうことが起こっています。
ネガティブを認めて受け入れてしまえば、
ネガティブは、そんなに怖くはありません。
ただ、
ネガティブと自分を切り離すパターンについては、
なかなか上記のようにはいきません。
ある程度の時間をかけて、
切り離した大きく激しいネガティブと、
一緒に居るための心の力を
育ていく必要があるかなと思います。
それから徐々に、
そのネガティブを受け入れ認めるという
段階に入っていきます。
以上、ご参考になれば幸いです。
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