私が子どもを産めない身体だということを理由に
婚約破棄した彼が、
その翌年、結婚して、
今は二児の父となっています。

私は、彼に婚約破棄された後、
神経症を患い、心療内科に通っています。

共通の友人のタイムラインで、
彼と奥さん、そして子どもの写真を見て、
殺したいほどの憎しみを感じてしまいました。

この気持ち、どうやったら、成仏できますか？

高校生の時、母を癌で亡くしました。
その当時のことは、
あまりよく覚えていません。
が、何人かのクラスメイトが、
私のことをからかってバカにしてきたことは、
よく覚えており、
今でも、そのことを思い出すと、
彼らへの怒りがメラメラします。

小学校の時、私をいじめたクラスメイトを
どうしても許せません。
何十年経った今でも思い出して、
嫌な気持ちになります。

自分の親が許せない。

セラピーでお話を伺っていると、
過去、自分にひどいことをした相手に、
長い間、怒り続けているという方に、
かなりの確率で出会います。

相手を許す　許さないは、
全くもって、
その方が決める、選ぶことであり、
私がとやかく言えることではありません。

ただ、怒りが長引くことで、
自分が苦しい、辛いという時の処方箋として、
この記事を読んでいただけたらと思います。

自分にひどいことをした
相手への怒りが長引いて苦しい時、
そこから自由になるヒントとして、
大きく二つのことが挙げられます。

一つは、
怒り続けているデメリットを知ること。

もう一つは、
許しということの意味づけを
とらえ直すことです。

長引く怒りを手放すには

今日は私の話を例に挙げながら、
解説していきます。

自分に起こった出来事のダメージが
非常に大きいがゆえに、
その相手に対して、
何年も、時には何十年も怒っている。

その相手をどうしても許せない、
許すなんて、とんでもないと思っている。

そんな人が、私にもいました。

詳しくは書きませんが、
それこそ、30年越しの
地球が滅亡しそうなほどの
大きな大きな怒りでした。

あまりに怒りが大きすぎて、
自分がそこまで怒っていたと自覚できるまでに
出来事が起こってから
10年以上かかったほどでした。

表現されずに心の奥底に秘められた
怒りの感情は腐って恨みという感情に変わります。

恨みの感情は、
自分の物の見方、世界観を
汚染し歪めます。

例えば、
私が地球滅亡規模の怒りを抱いていた相手は、
男性でしたので、
相手への怒りは、男性全般への憎悪となり、
この憎悪によって、
私の人生は非常に生き辛くなりました。
（今は大荷物を下ろし、ラクになりました。）

私が、その30年越しの地球滅亡規模に
怒っていた相手を許せた
きっかけ、助けになった考えが、
いくつかあります。

怒りを持ち続けるデメリットを知る

一番大きなものは、
怒り続けるデメリットが、
あまりにも大きいと、
ハラ落ちした、腑に落ちたことです。

自分自身のために、
この怒りは手放した方が良いと
心の底から思えることができたのです。

言葉にすると、
ごく当たり前のことなのですが、
これが、ハラ落ちするまで、
本当に時間がかかりました。

というのも、
私は怒りを手放したら、
自分がその相手に負ける、つぶされると
思っていたのですね。

トラウマ的な出来事の特徴の一つとして、
自分を無力であると感じる、
自分の力を、相手に明け渡したように
感じるというのがあります。

例えば、
レイプという性犯罪を考えてもらうと、
分かりやすいかなと思います。

レイプという犯罪が、
人に深い心の傷を残すのは、
相手が自分の尊厳を無視し、
自分のことをなすがままにしたという状況に、
深く傷つくからではないでしょうか？

怒りという感情は、
自分の大事なものを傷つけられた時、
それを守ろうとして湧き上がるという側面があります。

トラウマ的な出来事の相手に、
長く怒り続けているというのは、
その相手から自分を守るという
防衛反応なのです。

そして、悲しいかな、
この長引く怒りが、
自分の思いとは裏腹に、
自分を苦しめているのです。

怒りには増幅作用があります。

怒れば怒るほど、
その感情が大きくなり、
その出来事が深く自分の記憶に刻まれるのです。

また、長引く怒りは
健康を害する作用があります。

最初は、自分を守るために感じていた怒りが、
段々、嫌な記憶を脳に刻み込み、
健康の害にさえなるというのは、
実に悲しいことです。

私は、心のことを学んで、
かつ、自分を観察し続けて、
このことがよくよく身に沁み、
ハラ落ちしたので、
この長引く怒りを手放したいと
芯から思うようになりました。

許すという意味のとらえ直し

相手を許すと言うことは、
相手が自分にしたことが
悪いことではなかったとすることではありません。

何十年と、
地球滅亡規模の怒りに苦しんだ末、
私が出した結論は、
許すというのは、
相手がしたことによって、
自分の本質は何ら傷ついてないと知ることだと
いうことです。

『罪を憎んで人を憎まず』という
昔のことわざがありますが、
昔の人は、もしかしたら、
このことを知っていたのかなと思います。

相手のしてきたことが、
どんなに自分の尊厳を
踏みにじるものであろうと、
自分がそれに同意、同調しない限り、
自分の尊厳は傷つきません。

自分の尊厳を傷つけることができるのは、
究極的には自分だけなのです。

許すという意味のとらえ直しが
すんなり腑に落ちない時もある

前の章を読んで、頭では意味が分かっても、
なかなかハラ落ちしない、
自分の尊厳を傷つけることができるのは
自分だけと言われると、
なんか責められているような、後ろめたさを
感じるという方もいるかもしれません。

私も最初はそうでした。

私が、上記のような
許しの意味のとらえ直しができたのは、
トラウマ的な出来事に伴う
ネガティブな感情のお掃除を
続けたからだと思います。

ネガティブな感情というのは、
解放してあげないと、
身体の細胞一つ一つに残り続けます。

そして、
この細胞一つ一つに残った感情が、
フラッシュバックを起こさせ、
怒りを長引かせるなどして、
人を苦しめます。

怒りというのは、
激しい苦痛から
自分を守る役目をする時がある

怒りというのは、
二次感情と言われていて、
怒りの下には、
さらに別の感情・
悲しみや恐怖、罪悪感などがあるのです。

人は、これらの感情を感じないために、
怒りの感情を使うとも言えます。

また、別の角度から見ると、
怒りで自分を守ることをしないと、
激しい苦痛によって、
自分が壊れるから、
そうやって怒りを使っているとも言えます。

人間は誰しも、
実に繊細で傷つきやすいですね。

どんなに鈍感そうに見える人でも、
生まれた時は、
柔らかく繊細な感受性を
持っていたと思います。

長引く怒りを手放す具体的な方法

もし長引く怒りを手放したかったら、
怒りで自分を守るのではなく、
ほかの方法で、自分を守り、
安心安全を確保しながら、
怒りの下にある激しい苦痛を伴う感情を
解放していく必要があるかなと思います。

これは、非常に慎重さが必要な作業です。

それだけの激しい苦痛というのは、
ダイナマイト級に、
取り扱い注意な感情だからです。

私自身は、このような時、
ボディワークを使っています。

一人でできるボディワークの方法としては、
こぶしを握るというものがあります。

怒りが湧きあがってきた時、
まずは、怒りを身体で、
よーく感じてみましょう。

身体で感じて、
その感覚を言葉にしてみましょう。

胸がどきどきするとか、
息が浅くなるとか、
頭に血が上るとか、
喉が詰まるとか、
そして、体感覚があるあたりに、
手を持っていって、
その体感覚と同じくらいの強さで、
こぶしを握ってみます。

しばらく、その状態で、
体感覚を観察し続け、
体感覚の変化に合わせて、
こぶしを握る強さを変えていきます。

たったこれだけのシンプルな方法ですが、
これを繰り返していくうちに、
徐々に徐々にネガティブな感情が
リリースされていきます。

また、怒りの下には、
「分かって欲しい」という気持ちがあることが
ほとんどです。

なので、上記の方法で、
感情をリリースしていきながら、
自分が相手に何を分かって欲しいのか？
それを言葉にしていくのも
一つの手です。

相手の言動によって、
自分が本当に悲しかったこと、
ものすごくショックだったこと、
大きなダメージを受けたこと、
命の危険を感じたことなどなど、
怒っているというほかに、
自分は何を表現したいのか？
それを言葉にしていき、
その気持ちに、
自分自身が大げさなくらい共感してあげると、
少しずつ怒りが小さくなっていくかと思います。

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◇感じ切れば嫌な感情を手放せると
言われたのでやってみましたが、
上手く行かず余計辛くなりました。

 

 

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