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よろしければ、音声を聴きながら記事をお読みください。(2部構成)
先日、ある知人と話していたら、
「この間、私のインチャイが、
なんかプリプリ怒ってて。」と言ったので、
インチャイ?なに、それ?と
一瞬思ったけど、
ああ、インナーチャイルドのことかあ・・・と
すぐに気が付いた私です。
インナーチャイルドという言葉も概念も、
ここまで定着したんだなあと、
感慨深かったです。
この知人のように、
自分一人で行うセルフワークで、
インナーチャイルドと対話している、
インナーチャイルドの癒しを続けている、
インナーチャイルドのケアを続けているという方は、
きっとたくさんいらっしゃることかと思います。
目次
内なる子どもを癒そうとする時、気を付けて欲しい二つのこと
一つは、下記のブログに書いたように、
インナーチャイルドをケアする前に、
ケアする側の大人の部分の自分を
しっかり育てるということです。
◇インナーチャイルドを癒す、
インナーチャイルドワークをする、
その時に気を付けて欲しいこと
二つ目は、
内なる子どもにも、
インナーベビーと
インナーチャイルドがいることを知っており、
今、どちらに対するケアが必要か?を見分け、
その時に応じた適切なケアをしていくということです。
これはインナーチャイルドと
インナーベビーでは、
ケアの仕方が異なるためです。
今日はこの内なる子どもには、
インナーチャイルドとインナーベビーがいて、
その二つのケアが違うことについて伝えていきます。
インナーチャイルドとインナーベビーへのケアの仕方は違う
これは、実際に赤ちゃんを世話する時と、
動き回れて言葉が話せるようになった
子どもを世話する時の違いを
考えたらわかりやすいかと思います。
例えば、
赤ちゃんが泣いている時に、
言葉だけであやそうとする人って、
あまりいないかと思います。
なぜなら、赤ちゃんは、
あまり言葉を理解しないからです。
※言葉に乗せられているエネルギーには、
どの赤ちゃんも非常に敏感なので、
こういう表現をしました。
赤ちゃんが泣いていたら、
大体の人は抱っこして、
この赤ちゃんは、
今、何が欲しいのかな?と
探ろう、感じようとするでしょう。
抱っこされた赤ちゃんは、
人肌の温みや柔らかさを感じ、
何も言葉をかけなくても、
それだけで安心して泣き止むこともあるでしょう。
逆に、泣いている赤ちゃんに指一本触れずに、
赤ちゃんをあやそうとしても、
すごく難しい、もしくは不可能かと思います。
例えば、
少し離れたところから、
赤ちゃんに向かって、
「安心して」
「そばにいるよ」
「大丈夫よ」などと
繰り返し言っても、
赤ちゃんは、なかなか泣き止まないでしょう。
言葉に乗ったエネルギーは感じても、
言葉の内容はあまり理解できない世界に、
赤ちゃんは生きていますから、
なかなか安心感や愛情が届かないと思います。
インナーベビーをケアするには、
まず最初に身体感覚を使って、
インナーベビーに安心感や注目を
届ける必要があります。
言葉が届くのは、それからです。
インナーベビーが傷ついていたため、
自分はこの世界に居ちゃいけないと思っていた私
ここで少し、
私のインナーベイビーワークの体験を
シェアさせてください。
何年も前に、カウンセリングの先生の
個人セッションを受けていた時のことでした。
その当時は、まだ派遣社員もしていて、
Wワークでセラピストをしており、
派遣先の会社であったことを
カウンセリングで扱ってもらいました。
シチュエーションとしては、
お昼休み、会社の休憩室で、
見知らぬ女性社員と二人きり。
ランチを食べ終え、
小さな声で英語の発音練習していた私。
発音練習に熱が入り、
声が少し大きくなってしまい、
あっやばいかな・・・と思い、
その見知らぬ女性社員に、
「すみません・・・」と
ポツリとつぶやくように言ったところ、
その女性社員が
「気になるんで、音楽かなにか掛けてください。」と
取り付く島もなく言ったんですね。
その時の女性に言われたことが、
どうしても忘れられなくて、
家に帰っても、そのことを思い出してしまい、
なんとも言えない嫌な気分になるということが、
何週間も続き、
それでカウンセラーさんに聞いてもらいました。
最初、自分でも、
どうして、その女性に言われたことが、
そこまで気になるのか?分からなかったのですが、
カウンセラーさんと話すうちに、
自分がその女性の言葉で、
大きく心が揺れた理由が分かってきました。
それは、他人から、
「アンタなんか消えて!」
「アンタなんか存在するな!」と罵られたことを、
真に受けたからでした。
これは、どういうことか?というと、、、
その女性の
「気になるんで。
音楽か何かかけてください。」という
取り付く島のない言葉は、
ある意味、私に対して、
「消えて!いなくなって!」と
言っていたんですね。
その女性の言葉やエネルギーと
私の側にあったインナーベビーの傷が呼応しあって、
私のインナーベビーが、
私、この世界に存在してちゃいけないの???と、
泣き叫び始めたというわけです。
その女性の言葉を長く引きずったのは、
そのためです。
自分の存在が揺らぐということは
大変なことですから、
その後、インナーベビーのケアの仕方、
インナーベビーへの心の栄養の与え方などを
カウンセラーから教わり実践してみると、
不思議なほど、
その女性のことは気にならなくなりました。
そして、以前よりも、
自分の輪郭がくっきりし、
自分が、この世界に存在することに、
自信が持てるようになりました。
インナーベビーがダメージを受けていると
どんな影響があるか?
私の体験談からも分かるかと思いますが、
この世界に存在することへの不安、自信のなさ、
もっと言うと申し訳なさというのが、
インナーベビーの傷つき、痛みの特徴だと言えます。
例えば、赤ちゃんをあやす時の遊びで、
「いないいないばあ」ってあるじゃないですか。
あの遊びができるのって、
生後半年以上の赤ちゃんだそうです。
どうして、生後半年以上かというと、
そのころから、
「物の永続性」ということが
理解できるようになります。
「物の永続性」とは、
心理学者ピアジェによる発達段階理論のひとつで、
「対象物が目の前から消えても、
それが存在し続けることが分かること」です
つまり、自分の目の前から、
お母さんの顔が見えなくなっても、
お母さんはいる、存在するということを
理解できるということです。
だから、「いないいないばあ」の遊びが成り立つわけです。
「物の永続性」という感覚がなければ、
お母さんの顔が消えたら、
本当にお母さんがいなくなったと思って、
赤ちゃんは大泣きします。
「物の永続性」という感覚があるから、
お母さんの顔が消えても、
お母さんが居ることが分かっているし、
またすぐ、お母さんが現れるということを知っています。
そのため、
「いないいない」の時に、
ちょっとしたスリルを味わうわけです。
そして、「ばあ」で、
お母さんが現れて安心する。
そういう遊びなんですね。
「いないいないばあ」に象徴されるように、
赤ちゃんの時期と言うのは、
他者に対する基本的な信頼感を育てている時期です。
この時期に十分な安心感や関心を、
周りの人からもらえないと、
その基本的な信頼感が育まれません。
だから、インナーベビーがダメージを受けていると、
存在レベルで、
自分に自信がなくなり、
自分はここに居ていいのか?と
不安感をつのらせるというわけです。
この存在レベルの自信のなさというのは、
下記の記事にも少し書いてますので、
もしよかったら、読んでみてください。
◇自分に自信がなくて、
いつも恋愛が上手くいかない時の処方箋
インナーベビーがダメージを受けていると
人に対して過剰に尽くすパターンを持つことがある
これは私自身もそうだったのですが、
インナーベビーが傷ついて、
自分の中に存在レベルの不安、自信のなさがあると、
それらを埋め合わせるために、
他人に対して過剰に与える、過剰にサービスする、
そんなパターンを持つことがあります。
これは、心理学で言うと、
過補償とか、埋め合わせ戦略などと
呼ばれるものです。
前章で伝えたように、私自身も、
インナーベビーがすごく傷ついてましたので、
この埋め合わせ戦略をやっていました。
具体的に言うと、
強制的に、相手が、自分に甘えてきて、
頼ってくるようにすれば、
絶対に自分は他人から否定されない!と
無意識的に思って、
人の世話をかいがいしく焼いていました。
それほどまでに、私は、
自分がこの世界に存在することに対し自信がなく、
そのため、他人が、自分を否定してくることに、
過敏に反応していました。
インナーベビーのケアの仕方
赤ちゃんと言うのは、
言葉があまり通じない、
快か、不快か?という世界に住んでいます。
そこはストーリのない世界です。
なので、身体感覚を使って、
インナーベビーに心の栄養を与える。
これが基本なケアの仕方かと思います。
例えば、安心安全を感じることができる
セラピストのマッサージやヒーリングを
受けることなどはおススメです。
優しい安心安全なボディタッチは、
インナーベビーへの栄養になります。
他人から栄養を受け取ることができないほど、
傷ついているインナーベビーもいますから、
その際は、自分が自分の身体に触れること。
それも、非常に有効です。
また、インナーベビーに栄養を与えると同時に、
私は個人セッションの中で、
身体をあえて固くするエクササイズを伝えて、
それを日常の中で続けてもらうと言うことをしています。
この身体をあえて固くするというのは、
身体を緊張させるというのとも、また違います。
全身を使って、身体を固くし、
ある意味、自分の殻を固くする作業です。
そのことを通して、
自分というものを入れる器を作る感じです。
※これを読んだ方は、
頭の中が???だらけになるかもしれませんが、
ごくごく簡単なエクササイズです。
身体を感じるって、
自分がこの世界に存在しているって
感じることなんですよ。
身体がなければ、
この世界に存在できませんから。
身体をあえて固くするエクササイズをすることで、
この世界への存在度合いがアップするんですよね。
この世界とのつながりが戻ってくる。
言ってみれば、
後付けで、人力で、
この世界との信頼感を結び直す感じです。
かつ、このエクササイズをすることで、
インナーベビーを受け止める側の大人の自分が
どんどん強くなってきます。
以上、ご参考になれば幸いです。